海外大学生向けセミナー

韓国国立安東大学校のサマーインターン生対象「日本での働き方セミナー」(2018/08/16・Yahooロッジにて)
昨年9月は、ベトナムの2つの大学にて、200名を越える現地の大学生のみなさまにセミナーを開催することができました。ありがたいことに、参加した大学生からアンケートという形で高い評価数字を頂いただけでなく、大学で彼らの教育に関わっている先生方からもご好評頂いたセミナーでした。
なぜ、日本の在留資格制度や就職マーケットの現状、日本での働き方についての生きた情報が評価されるかというと、これらの情報は、なかなか現地大学では提供が難しい上、日本側(つまり採用する日本企業や日本国内の教育機関)も人財に教育や説明ができていない情報だからです。送り出し側の教育機関、また受け入れ側の日本企業の間に、いわばストンと落ちてしまっている情報群だと言うことができます。
こうして、人財は日本での労働について、極めて基本的なこと(日本人が当たり前だとして意識していないこと)を知らないまま日本で働き始め、そのうちにだんだんとこの情報のギャップに苦しむようになります。日本企業で働く外国人スタッフの声に耳を傾けると、こういう小さな情報のギャップの集積が、採用された外国人財の企業内定着を著しく阻害している一因だということがわかるわけです。私たちは、こういうギャップを未然に防ぐために、海外大学、国内大学、大使館、学会、東京商工会議所、JETROなど、様々な場で、人財向けまた企業向けに、地道な情報提供を行っています。
今夏の安東大学校の大学生向けのセミナーには、日本での就労意欲が非常に高い方ばかりがご参加になり、引率のテ教授(博士)や学生の皆さまから、データの標準偏差や「居住者・非居住者」の違いについてなど、鋭い質問を頂く場面が多くありました。充実した2時間となったのも、インターンプログラムの主催である(株)ボイスの皆さまの情熱があったからこそだと思います。
彼らが彼ら自身の自己実現の場として日本という労働環境を選び、そのことで彼らの人生が少しでも豊かになることを、全く非力ではありますが、静かに願っています。

代表取締役 淺海一郎
省庁やJETRO、全国の自治体、大学などと連携して全国の外国人雇用企業に対し、社内体制の整備、異文化コミュニケーション、外国人スタッフの育成定着と戦力化に関する研修、ワークショップを数多く提供しています。
また、国際交流基金(JF)の客員講師として、ビジネス日本語教師の立場から海外日本語教師の育成にも携わっています。
外国人の雇用は、日本で働く外国人もさることながら、一緒に働く日本人側にも大きな負担がかかります。日本人と外国人がともに働きやすい環境を作るためにどのような点を工夫すればよいか、できる限りわかりやすくお伝えしたいと考えております。
【委員等の実績】
・文化庁「日本語教育推進関係者会議」委員
・厚生労働省「外国人の能力開発に関する専門研修」検討委員会委員
・日本貿易振興機構(JETRO)高度外国人材スペシャリスト
・独立行政法人 国際交流基金 客員講師
・経済産業省「職場における外国人材との効果的なコミュニケーション実現に向けた学びのあり方に係る調査事業」アドバイザー(2020)
・厚生労働省「雇用管理に役立つ多言語用語集の作成事業」有識者研究会委員(2020)
・文化庁「就労者に対する初任日本語教師研修教材開発」カリキュラム検討委員会委員(2020)
・東京都「外国人材活用に関する検討会」委員
・経済産業省「外国人留学生の就職や採用後の活躍に向けたプロジェクト」政策検討委員会委員(2019-2020)
【メディア掲載】
・アイデム 人と仕事研究所「外国人スタッフの定着と戦力化を図る」
・向学新聞 連載「日本語のプロと考える ビジネス日本語」
・アーバンライフメトロ
・全国自治体による、外国人スタッフへの日本語教育に関する助成制度の実態調査
・ビジネス日本語研究会 2020年1月号ジャーナル 研究論文掲載(共著)
・jops biz「日本人社員と外国人社員のコミュニケーションギャップとは」
・Knowledge Society「外国人と企業の懸け橋へ 日本語教師出身の創業者に独立の思いを聞く」